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シテ 翁
ツレ 千歳
狂言 三番叟

地は 知らず
季は 雑

翁「とう〳〵たらり〳〵ら。たらりあがりらゝりとう。
地「ちりやたらりたらりら。たらりあがりらゝりとう。
翁「所千代までおはしませ。
地「我等も千秋さぶらはう。
翁「鶴と亀との齢にて。
地「幸心に任せたり。
翁「とう〳〵たらり〳〵ら。
地「ちりやたらりたらりら。たらりあがりらゝりとう。
千歳「鳴るは滝の水。鳴るは滝の水日は照るとも。
地「絶えずとうたり。ありうとうとうとう。
千歳「絶えずとうたり。常にとうたり。(千歳舞)
千歳「君の千歳を経ん事も。天津乙女の羽衣よ。鳴るは滝の水日は照るとも。
地「絶えずとうたり。ありうとうとうとう。
翁「総角やとんどや。
地「尋ばかりやとんどや。
翁「やあ座して居たれども。
地「参らうれんげりやとんどや。
翁「千早振。神のひこさの昔より。久しかれとぞ祝ひ。
地「そよやりちやんや。
翁「凡そ千年の鶴は。万歳楽と歌うたり。又万代の池の亀は。甲に三極を備へたり。渚の砂索々として。朝の日の色を朗じ。滝の水冷々として。夜の月あざやかに浮んだり。天下泰平国土安穏。今日の御祈禱なり。在原やなぞの翁ども。
地「あれはなぞの翁ども。そや何くの翁とうとう。
翁「そよや。(神ガク)
翁「千秋万歳の歓びの舞なれば。一舞まはう万歳楽。
地「万歳楽。
翁「万歳楽。
地「万歳楽。

底本:国立国会図書館デジタルコレクション『謡曲評釈 第五輯』大和田建樹 著

 

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 父尉延命冠者

シテ 翁
ツレ 千歳
狂言 三番叟

父尉「あれはなぞの小冠者ぞや。
地「釈迦牟尼仏の小冠者ぞや。生れし所は忉利天。
父尉「育つ所は鼻が。
地「そのましまさば。とくしてましませ。父の尉親子と共につれて御祈禱申さん。
父尉「一天雲治まつて日月の影明し。雨うるほし風穏に吹いて。時に随つて旱魃。水損の恐れ更になし。人は家々に楽しみの声絶ゆる事なく。徳は四海にあまり。悦びは日々に増し。上は五徳の歌をうたひ舞ひ遊ぶ。そよや悦びに。又悦びを重ぬれば。ともに嬉しく。
地「物見ざりけりありうとう〳〵。

底本:国立国会図書館デジタルコレクション『謡曲評釈 第五輯』大和田建樹 著

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