💡 鑑賞の手引き たいていの公演では四日之式が上演されています。その他の小書はこちら。
翁
シテ 翁 ツレ 千歳 狂言 三番叟 地は 知らず 季は 雑 翁「とう〳〵たらり〳〵ら。たらりあがりらゝりとう。 地「ちりやたらりたらりら。たらりあがりらゝりとう。 翁「所千代までおはしませ。 地「我等も千秋さぶらはう。 翁「鶴と亀との齢にて。 地「幸心に任せたり。 翁「とう〳〵たらり〳〵ら。 地「ちりやたらりたらりら。たらりあがりらゝりとう。 千歳「鳴るは滝の水。鳴るは滝の水日は照るとも。 地「絶えずとうたり。ありうとうとうとう。 千歳「絶えずとうたり。常にとうたり。(千歳舞) 千歳「君の千歳を経ん事も。天津乙女の羽衣よ。鳴るは滝の水日は照るとも。 地「絶えずとうたり。ありうとうとうとう。 翁「総角やとんどや。 地「尋ばかりやとんどや。 翁「やあ座して居たれども。 地「参らうれんげりやとんどや。 翁「千早振。神のひこさの昔より。久しかれとぞ祝ひ。 地「そよやりちやんや。 翁「凡そ千年の鶴は。万歳楽と歌うたり。又万代の池の亀は。甲に三極を備へたり。渚の砂索々として。朝の日の色を朗じ。滝の水冷々として。夜の月あざやかに浮んだり。天下泰平国土安穏。今日の御祈禱なり。在原やなぞの翁ども。 地「あれはなぞの翁ども。そや何くの翁とうとう。 翁「そよや。(神ガク) 翁「千秋万歳の歓びの舞なれば。一舞まはう万歳楽。 地「万歳楽。 翁「万歳楽。 地「万歳楽。 底本:国立国会図書館デジタルコレクション『謡曲評釈 第五輯』大和田建樹 著
翁 父尉延命冠者
シテ 翁 ツレ 千歳 狂言 三番叟 父尉「あれはなぞの小冠者ぞや。 地「釈迦牟尼仏の小冠者ぞや。生れし所は忉利天。 父尉「育つ所は鼻が。 地「そのましまさば。とくしてましませ。父の尉親子と共につれて御祈禱申さん。 父尉「一天雲治まつて日月の影明し。雨うるほし風穏に吹いて。時に随つて旱魃。水損の恐れ更になし。人は家々に楽しみの声絶ゆる事なく。徳は四海にあまり。悦びは日々に増し。上は五徳の歌をうたひ舞ひ遊ぶ。そよや悦びに。又悦びを重ぬれば。ともに嬉しく。 地「物見ざりけりありうとう〳〵。 底本:国立国会図書館デジタルコレクション『謡曲評釈 第五輯』大和田建樹 著